台風でも仕事は行くべき?知っておくべき基準や手当・安全対策を解説

最終更新:

台風でも仕事は行くべき?知っておくべき基準や手当・安全対策を解説
目次[閉じる]

    毎年7月から10月にかけては、台風の接近・上陸が多く、暴風や大雨による影響を受けやすい時期です。
    こうした気象条件では公共交通機関の乱れだけでなく、道路の冠水や強風によって、通勤自体が危険になることもあります。

    台風による影響が懸念される場合には、「会社から出勤を求められたけれど行くべき?」「電車が止まったらどうなる?」「休んだら給料は減る?」と、不安を感じる方も多いでしょう。

    本記事では、台風時の出勤判断の基準や会社の安全配慮義務、給与や休業手当の考え方、安全に行動するためのポイントまで、分かりやすく解説します

    台風時の仕事はどうする?迷った時の判断基準と安全配慮義務

    大雨で冠水している道路

    台風時は、会社の就業規則や気象情報、自治体の避難情報などを踏まえて、安全を最優先に判断することが大切です。
    ここでは、出勤するかどうか迷ったときの判断基準や、会社に求められる「安全配慮義務」について解説します。

    無理な出勤は禁物!自身の身の安全を最優先すべき理由

    台風による暴風雨の中での外出は、飛来物や看板の落下、道路の冠水、突風による転倒など、想像以上に命に関わる危険を伴います。
    「周りが出勤するから」「会社に迷惑をかけたくないから」と無理をせず、まずは自分の命と安全を最優先に考えることが大切です。

    また、労働契約法第5条では「使用者は、労働者がその生命、身体などの安全を確保しつつ労働できるよう、必要な配慮をするものとする」と明記されており、災害時に無理に出勤させることは原則として不可能となります。

    会社が従業員の安全を守る「安全配慮義務」とは?

    企業には、従業員が安全かつ健康に働けるよう配慮する「安全配慮義務」があります。
    これは労働契約法第5条に基づくもので、台風や災害時にはテレワークへの切り替えや時差出勤など、通勤経路や業務内容を踏まえた安全な働き方の検討が求められます。


    ただし、この義務は一律に出勤禁止や自宅待機を命じるものではありません。
    そのため会社からの明確な指示を待つのではなく、従業員も天候や交通状況を確認しながら、安全を最優先に行動することが重要です。

    出勤か休みかを判断するための「4つのチェックリスト」

    台風の日は、出勤するか休むかの判断に迷う場合も少なくありません。
    安全を最優先に行動するためにも、事前に確認しておきたい4つのチェックリストを紹介します。

    1.公共交通機関で計画運休が行われているか確認する

    台風の接近時には、安全確保のため前日から計画運休を実施する交通機関もあります
    前日夜や当日の朝に、運行情報アプリや交通機関の公式サイト・公式SNSなどで、利用する路線の運行状況を早めに確認しましょう。

    2.自治体から発表される警戒レベルや避難情報を確認する

    台風や大雨の際には、気象庁や自治体から警戒レベルに応じた避難情報が発表されます。

    警戒レベルとは災害の危険度を示すもので、自分や家族の命を守るための重要な判断材料です。
    そのため出勤前には、自宅や通勤ルートに避難情報が発表されていないかを確認しましょう。

    警戒レベル3(高齢者等避難)

    高齢者や障がいのある方、小さな子どもがいる家庭など、避難に時間がかかる方は移動を開始する段階です。
    その他の方も、避難の準備を進めましょう。

    警戒レベル4(避難指示)

    危険な場所にいる方は全員避難が必要です。

    自宅や通勤ルートに避難指示が発表されている場合は、命に危険が及ぶおそれがあるため、出勤を見合わせるなど、安全を最優先に行動しましょう。

    警戒レベル5(緊急安全確保)

    災害がすでに発生、または切迫している状況です。
    避難場所への移動がかえって危険な場合もあるため、直ちに周囲で少しでも安全な場所へ移動するなど、命を守る行動をとってください。

    3.会社の就業規則や台風時の出勤停止に関する規定を調べる

    災害時の対応は会社ごとに異なるため、事前に規則やマニュアルを確認しておきましょう。
    内閣府の調査では、多くの企業が事業継続や防災のための教育・訓練や情報共有を行い、従業員への周知・浸透を進めていることが示されています。

    例としては、「暴風警報が発令されたら自宅待機」「〇〇線が止まったら公休扱い」などのルールが定められている場合があります。

    ※参考 内閣府「令和3年度 企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査」

    4.自分の職種が在宅勤務可能か、インフラ系・現場系か考える

    在宅勤務が可能なデスクワークの場合は、無理に出社せずに自宅から業務を調整するのも有効です。

    一方で、医療・インフラ・接客など現場対応が必要な職種では、前泊用ホテルや仮眠室の用意など会社側が対策を講じる場合もあるため、事前に勤務体制を確認しておきましょう。

    台風で会社が休みになった時の給料や手当の仕組みとは?

    給与明細と電卓

    台風による影響で休業となった場合、給与や手当の扱いは状況によって異なります。
    ここでは、休業時の給与の考え方や休業手当について解説します。

    会社都合で「出勤不要」と言われた場合は休業手当が利用可能

    会社から「台風のため出勤不要」「自宅待機」などと指示された場合は、会社都合による休業に該当し、休業手当の支払いが必要となるケースがあります。

    一般的には「会社の責めに帰すべき事由による休業」、すなわち会社都合による休業の場合、会社は労働基準法第26条に基づき、平均賃金の60%以上の休業手当を支払う必要があります。

    天災による完全な不可抗力なら休業手当は出ないのか?

    事業の継続が困難な不可抗力の場合は基本的に支給の対象外となりますが、会社判断で休業した場合は対象になるケースもあります。

    ただし、台風などの自然災害による休業は、会社の判断だけでなく、事業所の被害状況や交通機関の運行状況などによって取り扱いが異なります。
    休業手当の対象となるか否かは個別の状況によって判断されるため、就業規則や会社からの案内を確認しましょう。

    台風の日に会社を休む場合は「有給休暇」は使える?

    台風の日に会社を休む場合でも、有給休暇を取得することは可能です。
    有給休暇は、労働基準法で認められた労働者の権利であり、所定の手続きに従って請求することで取得できます。

    ただし、災害時の取り扱いは就業規則や会社の判断によって異なるため、事前に確認しておくことが重要です。

    自分の判断で欠勤した場合は「ノーワーク・ノーペイ」

    会社から休業の指示が出ていないにもかかわらず、従業員が自己判断で欠勤した場合には、原則として、その時間に対する賃金は支払われません。
    これは、「ノーワーク・ノーペイ」といった給与計算の基本原則に基づくものです。

    ただし、安全上やむを得ない事情や会社独自の制度によって、欠勤以外の扱いとなる場合もあります。

    台風の中での通勤・業務で怪我をしたら労災になる?

    台風の影響下で通勤中や業務中に負傷した場合でも、一定の要件を満たしていれば、労災保険の給付対象となる可能性があります。
    労災保険では、災害の発生状況に応じて「通勤災害」「業務災害」の2種類に分類されています。

    ◇通勤災害
    出勤や退勤の途中で発生した事故やケガが対象です。
    通常の通勤経路や合理的な移動方法であることが前提となります。

    ◇業務災害
    勤務時間中や、会社の指示による業務中に発生した事故やケガが対象です。
    台風による悪天候下であっても、業務との関連性が認められ、所定の要件を満たしている場合には、労災保険の給付対象となる可能性があります。


    ただし、通勤経路から大きく逸脱した場合や、私的な目的で通勤を中断した場合には、通勤との関連性が認められず、労災保険の給付対象とならない場合があります。

    台風で仕事を休む・遅れる場合の正しい連絡マニュアル

    スマホを使いながら悩んでいる女性

    台風の影響により出勤が困難となる場合や、遅刻が見込まれる場合には、速やかに会社へ連絡し、状況を共有することが重要です。

    また、連絡する際は自身の安全を最優先に確保したうえで、「現在の状況」「出勤の可否」「到着予定時刻」などを簡潔に伝えましょう。

    ◇欠勤する場合

    件名:台風による欠勤のご連絡(氏名)

    本文:
    お疲れ様です。〇〇部の〇〇です。
    台風の影響で交通機関が乱れているため、安全を考慮し、本日は欠勤させていただきます。
    ご迷惑をおかけしますが、何卒よろしくお願いいたします。

    ◇遅刻する場合

    件名:台風による遅刻のご連絡(氏名)

    本文:
    お疲れ様です。〇〇部の〇〇です。
    台風の影響で交通機関に遅れが発生しているため、出社が遅れる見込みです。
    現在は安全を確認しながら向かっております。
    到着予定時刻が分かり次第、改めてご連絡いたします。



    状況は急変することもあるため、「早め・簡潔・安全優先」の連絡を心掛けましょう。

    なお、学生向けに「バイトや学校を休む理由」など、状況別の連絡マナーをまとめたコラムも掲載していますので、あわせてご参照ください。


    関連コラム 【大学生向け】バイトを休む理由と正しい伝え方とは?電話&LINE例文付き!

    台風に備えて会社と従業員がやっておくべき安全対策

    リモートワークをする女性

    台風の接近が予想される場合には、従業員の安全確保と事業への影響を最小限に抑えるための事前準備が重要です。

    緊急時に適切な対応が取れるよう、会社と従業員の双方が、連絡体制や対応手順などをあらかじめ確認しておくことが重要です。

    事前に確認!テレワークへの切り替えと緊急連絡網

    台風の接近が予想される場合は、テレワークへ切り替えられるか事前に確認しておきましょう。
    在宅勤務が可能な業務であれば、無理に出社せず仕事を続けられる場合があります。

    また、緊急連絡網や社内の連絡手段についても、事前に確認しておくことが大切です。
    出勤や在宅勤務への切り替えの判断基準を事前に把握しておくことで、災害時の混乱を防ぎやすくなります。

    台風が去った後の「翌日の出勤」に関する注意点と確認事項

    台風が通過した後も、直ちに通常どおりの出勤が可能とは限りません。

    翌日でも交通機関の運休や遅延が続くほか、道路の冠水や倒木などの影響が残っている場合があります。
    そのため、出勤前には公共交通機関の運行状況や道路状況を確認し、安全に移動できるかを確認したうえで行動することが大切です。

    また状況に応じて、会社から時差出勤や在宅勤務への切り替えが案内されることもあります。
    社内連絡を随時確認し、指示に従って行動しましょう。

    アルバイトやパートでも台風時の休業手当は支給される?

    アルバイトやパートでも、一定の条件を満たす場合には、休業手当の対象となる場合があります。
    休業手当の支給可否は雇用形態ではなく、休業に至った理由などを踏まえて判断されます。

    会社都合で休業となった場合は、正社員と同様に支給対象となる可能性があります。
    一方で、台風による不可抗力で事業を継続できない場合は、支給対象とならないケースもあります。

    まとめ:台風時の仕事は安全第一!正しい知識で冷静な判断を

    本記事では、台風時の出勤判断の基準や会社の安全配慮義務、休業時の給与や手当の考え方、連絡方法などについて解説しました。

    台風が接近・通過する際は、自身の安全を最優先に考えた行動が何より重要です。
    会社の就業規則をはじめ、最新の気象情報や交通機関の運行状況を確認し、状況に応じて適切に判断するようにしましょう。

    また、災害時の対応や働き方、給与・休業手当の取り扱いは、会社の制度や休業の理由などによって異なります。
    そのため不明点がある場合は、あらかじめ勤務先へ確認しておくことがことが望ましいでしょう。

    そして、安心して働くためには、日頃から災害時の対応や働き方に関する制度が整っている職場を選ぶことも大切です。
    当サイトでは、福利厚生や働きやすさに配慮した求人を多数掲載していますので、仕事探しの際にぜひご活用ください。

    著者アイコン
    バイトな女子編集部
    『バイトな女子』編集部です!アルバイトやパート、正社員のお仕事にまつわるさまざまな情報を発信中。仕事選びのヒントや働き方のコツなど、読者の皆さんが楽しく働けるようなお役立ち情報をお届けします!

    さっそくお仕事を探す