パートの掛け持ちは可能?社会保険や扶養の条件を徹底解説!

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パートの掛け持ちは可能?社会保険や扶養の条件を徹底解説!
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    パートの掛け持ちは、収入を増やしたり、勤務時間を柔軟に組み合わせて働いたりできる選択肢の一つです。

    しかし、「そもそも掛け持ちはできるの?」「社会保険や扶養はどうなるの?」と悩む方も多いのではないでしょうか。

    本記事では、パートを掛け持ちする際の基本的なルールから社会保険の加入条件、扶養内で働くときの注意点まで、分かりやすく解説します!

    自分に合った働き方を考える際に、ぜひ参考にしてください。

    パート・アルバイトの掛け持ちはできる?

    パソコンを操作する女性

    ここでは、掛け持ちの可否と、始める前に確認したいポイントをご紹介します。

    掛け持ち自体は法律上、原則として可能

    パートやアルバイトを複数の勤務先で掛け持ちすることは、法律で一律に禁止されているわけではありません。

    厚生労働省のガイドラインでも、副業・兼業を希望する人が働き方を選びやすい環境整備が進められています。

    ただし、勤務先によっては、就業規則や雇用契約などで副業・兼業に届出や許可を求めている場合があります。

    まずは現在の勤務先と新しい勤務先、それぞれのルールを把握することが重要です。

    就業規則・秘密保持・競業のルールも確認する

    掛け持ちを始める前は、就業規則のほか、情報漏えいを防ぐ「秘密保持」や「競業」に関するルールについても確認しておきましょう。

    不明点があったり、判断に迷っている場合は、勤務先の担当者に事前に相談しておくと安心です。

    参考:厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」

    掛け持ちの社会保険は勤務先ごとに判定する

    本記事では、勤務先を通じて加入する健康保険と厚生年金保険をあわせて「社会保険」と呼びます。

    まずは、掛け持ちの場合に社会保険がどのように扱われるのか、確認していきましょう。

    社会保険の加入判定では勤務時間や賃金を原則として2社分合算しない

    掛け持ちをしている場合でも、勤務先の健康保険・厚生年金保険に加入する条件は、勤務先ごとに確認することが原則です。

    なお、ここでいう「合算しない」とは、あくまでも社会保険の加入判定についてです。

    労働基準法上は、雇用される形で掛け持ちをする場合、複数の勤務先での労働時間を原則として通算します。

    • ■A社:週22時間
    • ■B社:週10時間

    の場合、合計32時間でもB社まで社会保険の対象になるとは限りません。
    加入条件は勤務先ごとに確認します。

    2社とも加入条件を満たす場合は両方で加入する

    A社とB社の両方で加入条件を満たす場合は、両方の勤務先で社会保険の加入対象になります。

    このように複数の事業所で社会保険の加入対象となる場合は「二以上事業所勤務」となり、本人による届出など、手続きも必要です。

    参考:日本年金機構「複数の事業所に雇用されるようになったときの手続き」

    パート・アルバイトが社会保険に入る条件

    勤務先の社会保険に入る条件は、大きく2つに分かれます。
    ここでは、それぞれの条件について順に解説します。

    通常の労働者の4分の3以上働く場合は加入対象

    パートやアルバイトでも、1週間の所定労働時間と1か月の所定労働日数が、通常の労働者の4分の3以上なら、社会保険の加入対象となります。

    例えば、通常の労働者が週40時間・月20日勤務なら、週30時間以上かつ月15日以上が一つの目安です。

    この「4分の3ルール」に当てはまる場合は、会社の規模に関係なく加入対象になり、学生でも対象になる点に注意しましょう。

    参考:日本年金機構「適用事業所と被保険者」

    4分の3未満でも短時間労働者の条件を満たすと加入対象

    4分の3に届かない働き方でも、一定の条件を満たせば「短時間労働者」として社会保険の対象になります。

    2026年10月現在、短時間労働者が社会保険の加入対象となる主な条件は、次のとおりです。

    • ■ 週の所定労働時間が20時間以上
      ■ 学生ではない
      ■ 厚生年金保険の被保険者数が常時51人以上の企業等で働いている

    休学中の人や、定時制・通信制の学校に通う学生は、社会保険の適用において「学生」に該当しない場合があります。

    また、労使の合意により社会保険の適用拡大を行っている企業では、企業規模にかかわらず加入対象となる場合があることも把握しておきましょう。

    なお、契約期間が2か月以内であっても、その期間を超えて雇用される見込みがない場合などは、適用対象外となることがあります。

    参考:日本年金機構「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大」

    2026年10月から月額8.8万円の賃金要件が撤廃された

    2026年10月1日から、短時間労働者に対する「所定内賃金が月額8.8万円以上」という要件は撤廃されました。

    ただし、最低賃金法の減額特例許可を受けており、所定内賃金が月額8.8万円未満の場合は、原則として加入対象外です。

    企業規模の要件は2026年10月時点では変わりませんが、2027年10月以降は段階的に縮小されます。

    • ■2027年10月:厚生年金保険の被保険者数36人以上
    • ■2029年10月:21人以上
    • ■2032年10月:11人以上
    • ■2035年10月:企業規模要件を撤廃

    参考:厚生労働省「社会保険適用拡大特設サイト」
    参考:日本年金機構「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大」

    ケース別|パートを掛け持ちすると社会保険はどうなる?

    電卓を使う女性

    ここからは、学生ではなく、勤務先が対象規模の企業である場合を例に、掛け持ちパターンごとの扱いを紹介します。

    1社だけ加入条件を満たす場合

    例えば、

    • ■A社:週22時間
    • ■B社:週8~10時間

    上記の時間で働くときに、A社だけがほかの加入条件を満たす場合は、A社のみで社会保険に加入します。

    被扶養者となっている場合は、A社の社会保険に加入することで、原則として扶養から外れることになります。

    どちらの勤務先も加入条件を満たさない場合

    続いては、

    • ■A社:週15時間
    • ■B社:週12時間

    で働くケースです。

    合計すると週27時間になりますが、社会保険の加入条件は原則として勤務先ごとに判定するため、各社ともに週20時間未満です。

    ほかの加入条件にも該当しなければ、原則としてどちらでも加入しません。

    ただし、扶養の収入基準では、A社とB社の収入見込みを合算して扶養かを判断する場合があります。

    2社とも加入条件を満たす場合

    最後に、

    • ■A社:週24時間
    • ■B社:週20時間

    で働く場合です。
    このように、両社ともほかの加入条件を満たす場合は、A社・B社の両方で社会保険に加入します。

    2社で社会保険に入るときの手続きと保険料

    2社とも社会保険の対象になった場合は、届出が必要です。
    ここでは、必要な手続きと保険料の決まり方を確認しましょう。

    「二以上事業所勤務届」を10日以内に提出する

    2社以上で社会保険に入ることになった場合は、対象になった日から10日以内に届出を行います。
    提出するのは「健康保険・厚生年金保険 被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」です。

    この届出では、手続きの中心となる「選択事業所」を決めます。
    健康保険については、原則として選択した事業所を管掌する保険者から給付を受けることになります。

    提出は電子申請・郵送・窓口のいずれかで行い、詳しい方法は勤務先の担当者や年金事務所に確認しましょう。

    参考:日本年金機構「複数の事業所に雇用されるようになったときの手続き」

    保険料は2社の報酬を合算したうえで按分される

    2社で社会保険に加入する場合は、それぞれの勤務先で受け取る報酬月額を合算した金額をもとに、標準報酬月額が決まります。

    保険料は、各勤務先の報酬月額の割合に応じて按分されます。
    ただし、2社分の保険料を重複して負担する仕組みではありません。

    例えばA社が月12万円、B社が月8万円なら、合計額をもとに標準報酬月額を決めます。
    その保険料を、A社とB社それぞれの報酬額に応じて分けて負担する仕組みです。

    参考:日本年金機構「複数の事業所に雇用されるようになったときの手続き」

    扶養内でパートを掛け持ちするときの注意点

    パートタイムの女性

    扶養内で掛け持ちする場合は、勤務先の社会保険と健康保険の扶養制度を分けて考える必要があります。

    勤務先で社会保険に入る条件と、配偶者などの扶養に入れる条件は、別のものとして考える必要があります。

    扶養は掛け持ち先の収入見込みを合算して確認する

    勤務先の社会保険は会社ごとに判定しますが、家族の健康保険の被扶養者になれるかどうかは別の考え方です。
    複数の勤務先がある場合は、それぞれの収入見込みを合算して年間収入を確認します。

    一般的な年間収入の基準は130万円未満です。
    ただし、60歳以上の人や一定の障害がある人は180万円未満が基準となります。

    また、収入額だけでなく、被保険者との生計維持関係も確認されます。
    不明な点は、加入先の健康保険に確認しましょう。

    19歳以上23歳未満は150万円未満になる場合がある

    2025年10月1日から、19歳以上23歳未満で配偶者でない人は、年間収入150万円未満が基準になりました。

    大学生年代の子どもなどが主な対象となり、配偶者は含まれません。
    年齢は、扶養認定日が属する年の12月31日時点で判定されます。

    参考:日本年金機構「19歳以上23歳未満の方の被扶養者認定における年間収入要件が変わります」

    2026年4月から労働契約内容で年間収入を見込む扱いが始まった

    2026年4月1日から、一定の条件を満たす場合は、労働条件通知書などの賃金から年間収入を見込む取り扱いが始まりました。

    契約内容から見込まれる年間収入が基準額未満で、ほかの収入が見込まれないことなどが条件です。

    掛け持ちの場合は、各勤務先から見込まれる収入を合算します。

    ただし、契約期間が1年未満の場合や、シフト制などで年間収入を算定できない場合は、給与明細書などを用いて確認する場合があります。

    参考:日本年金機構「労働契約内容による年間収入での被扶養者の認定の取り扱いについて」

    「130万円の壁」と勤務先の社会保険加入条件は別物

    年収が130万円未満でも、勤務先で加入条件を満たせば社会保険に加入します。
    反対に、2社の勤務時間を合わせて週20時間以上になる場合でも、それぞれの勤務先では満たさないケースもあります。

    社会保険は勤務先ごと、扶養は複数の収入の合算、という確認方法の違いを押さえておきましょう。

    健康保険の扶養と税金上の扶養は別制度

    健康保険の被扶養者制度と、所得税の配偶者控除・扶養控除は、それぞれ異なる制度です。

    そのため、健康保険の扶養から外れても、税金上の扶養から同時に外れるとは限りません。

    参考:国税庁「配偶者控除」
    参考:国税庁「扶養控除」

    掛け持ちでは確定申告が必要になる場合がある

    2社以上から給与を受け取る場合、年末調整は原則として主な勤務先で行われます。
    年末調整を受けていない給与の収入金額と、給与所得・退職所得以外の所得金額を合算します。

    その合計が20万円を超える場合は、原則として確定申告が必要です。
    各勤務先の源泉徴収票を保管し、国税庁の最新情報を確認しましょう。

    参考:国税庁「確定申告が必要な方」

    社会保険に加入すると何が変わる?

    ここでは、社会保険に加入した場合の負担と保障を確認します。

    保険料は会社と本人で負担する

    勤務先の社会保険に加入すると、給与から健康保険料と厚生年金保険料が差し引かれます。
    これらは原則として会社と本人が折半するため、扶養から外れると手取り額が変わることがあります。

    控除額の目安は、給与額や加入する健康保険などによって異なるため、勤務先に確認しましょう。

    将来の年金や休業時の保障が増える

    厚生年金に加入すると、加入期間や給与に応じて将来の年金額が増えることがあります。
    健康保険では、傷病手当金や出産手当金の対象になる場合も少なくありません。

    参考:日本年金機構「パート・アルバイトの皆さまへ、配偶者の扶養の範囲内でお勤めの皆さまへ」

    パートの掛け持ちと社会保険に関するQ&A

    悩んでいる女性

    最後に、本文を読んだあとに残りやすい疑問を、Q&A形式でご紹介します。

    Q.週20時間は実際に働いた時間で判断する?

    A. 基本的には、雇用契約や就業規則で定められた「週の所定労働時間」で判断し、残業時間は原則として含みません。

    ただし、実際の労働時間が2か月連続で週20時間以上となり、今後も続く見込みなら加入対象になります。
    判断に迷う場合は、勤務先の担当者に確認しましょう。

    Q.「106万円を超えなければ社会保険に入らない」で合っている?

    A. 2026年10月以降は、その考え方では判断できません。

    短時間労働者の「所定内賃金が月額8.8万円以上」という要件は、2026年10月1日に撤廃されました。
    そのため現在は、「年収106万円を超えるか」ではなく、週の所定労働時間や勤務先の企業規模など、残る加入条件で判断します。

    参考:日本年金機構「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大」

    Q.社会保険に加入したら扶養を外す手続きは必要?

    A. 家族の健康保険の扶養から外れる場合は、被扶養者の削除手続きが必要です。

    一般的には、被保険者である配偶者や親の勤務先を通じて手続きを行います。
    必要な書類や手続き方法は加入先の健康保険によって異なる場合があるため、勤務先や保険者へ確認してください。

    Q.気づかないうちに社会保険の対象になっていることはある?

    A. シフトが増えたタイミングなどで、気づかないうちに対象になっていることがあります。
    勤務条件が加入要件を満たした場合は、本人の希望にかかわらず社会保険の加入対象となるためです。

    シフトを増やす場合や契約更新時は、加入条件に該当しないか勤務先に確認しましょう。

    Q.自分が社会保険の対象か分からないときは?

    A. まずは勤務先の担当者に確認するのが確実です。
    勤務先が社会保険の適用事業所かどうかは、日本年金機構の事業所検索でも確認できます。

    掛け持ちの場合は、所定労働時間や企業規模、学生かどうかなどを勤務先ごとに整理しましょう。

    まとめ|パートの掛け持ちルールを理解して自分に合った職場へ

    パートの掛け持ちでは、社会保険と扶養を別の基準で考えることが大切です。
    主なポイントは次の4つです。

    • ■掛け持ち自体は原則として可能。
      (ただし、勤務先の就業規則や雇用契約を確認する)
    • ■勤務先の社会保険は、原則として会社ごとに加入条件を判定する
    • ■2社とも加入条件を満たせば、両方の勤務先で社会保険の対象になる
    • ■健康保険の扶養は、掛け持ち先の収入見込みを合算して確認する

    2026年10月には賃金要件が撤廃され、2027年10月以降は企業規模要件も段階的に縮小されます。

    掛け持ちを始めるなど、今の働き方を変える際は、最新の加入条件を確認しましょう。

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