フリーターや学生でも国民健康保険の加入が必要?加入条件・社会保険との違いを解説
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フリーターや学生でも、働き方や収入状況によっては『国民健康保険』への加入が必要です。
職場で『社会保険』に加入できる場合もありますが、そのためにはいくつかの条件をクリアしないといけません。
この記事では、国民健康保険の加入条件や手続き方法を詳しく解説し、社会保険との違いもわかりやすくご紹介します。
「どちらの保険に入るべきか迷っている」「保険についてもっと知りたい」と思っている方は、ぜひ参考にしてください♪
自分に合った保険を選んで、安心して生活できる環境を整えましょう◎
国民健康保険と社会保険ってなに?それぞれの役割やポイントとは
健康保険は、病気やケガをしたときに医療費の負担を軽くするための仕組みです。
フリーターやアルバイトの方にとっても欠かせないもので、国民が加入すべき保険には『国民健康保険』と『社会保険』の2つがあります。
ここでは、国民健康保険と社会保険の違いや加入のポイントをわかりやすくお伝えします♪
国民健康保険と社会保険の違いについて
国民健康保険と社会保険は、加入する人や手続き方法が違います。
国民健康保険は、自営業やフリーター、無職の人や学生が対象です。
手続きは自分で市区町村役場に足を運んで行い、保険料も自分で払います。
保険料の金額は所得や住んでいる地域で変わりますが、収入が少ない場合は負担が軽くなる仕組みもあるため、市区町村で相談してみましょう◎
一方、社会保険は、会社で働く人が対象で、手続きは会社が行います。
社会保険は健康保険と厚生年金がセットになっていて、会社が保険料の半分を負担してくれるので、個人の負担が軽くなることが特徴です。
さらに、社会保険の場合は医療費のサポートが手厚く、出産やケガをしたときに給付金がもらえることもあります。
以下に、それぞれの違いをまとめました。
国民健康保険 | 社会保険 | |
対象者 | 自営業・フリーター、学生など | 会社員・公務員 |
手続き | 自分で役場で行う | 会社が手続き |
保険料負担 | すべて自分で負担 | 会社と本人で折半 |
内容 | 基本的な医療費補助 | 医療費補助+手厚い給付金 |
扶養の有無 | なし | あり |
国民健康保険か社会保険への加入が必須
日本には『国民皆保険制度』という仕組みがあって、すべての人が何らかの健康保険に入ることが義務付けられています。
これは、病気やケガをしたときに医療費の負担が軽くなり、安心して治療を受けられるようにするためです。
保険に入っていれば、医療費の自己負担額は1〜3割で済みます。
そして、フリーターの場合、親の扶養に入っていれば健康保険料を支払う必要はありません。
ただし、年収が130万円を超えると扶養から外れて、自分で国民健康保険に加入しなければならないため注意が必要です。
また、アルバイト先で社会保険に加入している場合は、国民健康保険に入る必要はありません。
国民健康保険と社会保険のどちらの健康保険に入るべきかは、自身の働き方や年収によって変わります。
安心して医療を受けるためにも、自分がどちらの保険に入るべきなのかを確認しておきましょう。
国民健康保険の加入方法
国民健康保険に加入する際は、住んでいる市区町村での手続きが必要です。
まずは『本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)』を準備しましょう。
職場の健康保険や親の扶養を外れた場合は『健康保険資格喪失証明書』も必要です。
引っ越しや会社を辞めたときなど、理由によって求められる書類が異なるので、事前に市区町村窓口で確認しておくと安心です◎
実際の国民健康保険の加入方法ですが、窓口に行ったら「国民健康保険に加入したい」と伝えてください。
その場で加入申込書が渡されるので、必要事項を記入して提出します。
本人確認が終わると、その場で保険証が発行されることが多いですが、書類不足の場合は後日郵送されることもあります。
なお、注意点として、手続きは『加入する理由が発生した日から14日以内』に済ませる必要があります。
期限を過ぎても罰則はありませんが、未加入期間中の医療費は全額自己負担となるため、早めに手続きを行いましょう♪
国民健康保険に加入するメリットとは?
国民健康保険に入ることで、病気やケガをしたときの医療費負担が軽くなり、日々のお金も管理しやすくなります。
ここでは、国民健康保険に加入するメリットについて、より具体的にご紹介します。
保険給付を受けられる
国民健康保険に加入すると、病院や薬局で保険証を提示するだけで、支払う医療費が一部の負担だけで済みます。
例えば、70歳未満の人なら医療費の自己負担を3割に抑えることが可能です。
さらに、医療費が高額になった場合でも、自己負担が一定額を超えると『高額療養費』として超えた分が払い戻されます。
国民健康保険にはこうした仕組みがあるため、病気やケガなど予期せぬ支出に備えることができ、安心して医療を受けることができます◎
お金の不安が減る
国民健康保険の保険料は、前の年の収入を基準にして計算され、毎月決まった額を支払います。
月々の固定費が予測しやすくなるため、急な出費に困ることも少なくなるでしょう。
また、収入が少ない場合は、保険料を軽減してもらえる制度もあります。
このように、お金の不安があるときでも必要な医療を受けることができるという、安心感が得られる点もメリットといえます◎
社会保険の加入条件
アルバイトやパートでも、状況によっては社会保険に入ることができます。
これからご紹介する4つの条件をすべて満たして健康保険や厚生年金に加入することで、より手厚い保障を受けられます。
ぜひ自身の状況と照らし合わせてみてください。
月に88,000円以上の収入がある
社会保険に入るには、1か月の収入が88,000円以上になる必要があります。
ここでいう『収入』には基本給や手当が含まれますが、残業代や交通費などは含まれません。
毎月88,000円以上の収入があれば、社会保険に加入できる可能性があります◎
1週間の勤務が20時間以上30時間未満
アルバイトやパートでも週に20時間以上働いていれば、社会保険に加入できる可能性があります。
ただし、これは契約上の所定労働時間であって、残業は含みません。
学生ではない
社会保険は、基本的に学生は対象外です。
ただし、定時制や通信制の学校に通っている人や休学中の人は、例外として加入できる場合があります。
学業と両立して働いている場合は、自分が対象になるかどうか事前に確認しておくことをおすすめします。
2か月を超えて働く
2か月を超えて雇用される見込みがある場合も、社会保険加入の条件の一つとなります。
たとえ契約期間が2か月であっても、更新の可能性がある場合は加入の対象となります。
以前は1年以上の雇用見込みが条件でしたが、2024年10月からの社会保険適用拡大で期間が短縮され、加入のハードルが下がりました◎
参考:厚生労働省「従業員のみなさま | 社会保険の加入条件やメリットについて」
社会保険に加入するメリットとは?
社会保険に加入すると生活する上での安心感がアップして、将来への備えもしっかり整えられます。
ここでは、社会保険に加入するメリットを具体的に見ていきましょう。
健康保険・雇用保険・労災保険・年金保険がセット
社会保険には、健康保険や厚生年金に加えて、雇用保険や労災保険が含まれます。
病気やケガで働けないときには傷病手当金、出産時には出産手当金が支給されるなど、困ったときのサポートが充実するのが社会保険に加入する大きなメリットといえるでしょう。
失業時にはハローワークを通じて失業手当を受け取ることができるといった、次の仕事を見つけるまでの生活を支える仕組みも整っています。
また、保険料の一部は企業が負担してくれるため、個人の負担が軽くなることもメリットのひとつです。
さらに、面倒な加入手続きは会社が代わりに行ってくれるため、自分で手続きする手間も省けます。
社会からの信頼度・将来に向けて年金額がアップ
社会保険に加入していると、安定した収入があるとみなされて、住宅ローンやクレジットカードの審査が通りやすくなります。
また、厚生年金に加入すると、将来受け取れる年金額が国民年金に加入した場合よりも多くなる可能性が高いです。
社会保険への加入には、生活を安定させるだけでなく、将来に向けた安心感も得られるというメリットがあります◎
国民健康保険と社会保険どちらがオトク?
健康保険には『国民健康保険』と『社会保険』がありますが、どちらに加入できるかは自身の収入や働き方によって変わります。
まず、年間収入が130万円を超える場合は、親の扶養から外れるため、自分で保険に加入する必要があります。
この場合、社会保険では保険料の半分を企業が負担してくれるため、個人の負担額が軽減されます。
一方、国民健康保険の場合は、保険料を全額自分で支払う必要があります。
ただし、収入が低い場合、国民健康保険だと保険料の減額措置を受けられる可能性があります。そのため、収入面に不安がある人は国民健康保険のほうがオトクといえるかもしれません。
国民健康保険と社会保険のどちらがオトクかは状況にもよりますが、継続して安定した収入がある場合は、社会保険のほうが将来受け取る年金額が増える可能性があるため、長い目で見ると『社会保険のほうがオトク』と感じられるでしょう。
どっちの保険に入るかは働き方で決まる
繰り返しになりますが、国民健康保険と社会保険のどちらに加入するべきかは、自身の働き方や収入状況に大きく関わってきます。
それぞれの特徴を考慮して、最適な選択をすることが大切です◎
例えば、国民健康保険は加入条件がなく、自営業・フリーター・アルバイトなど幅広い方が利用できます。
職場で社会保険に加入できない場合や、短期間のアルバイトをしている方、掛け持ちで働いている方も国民健康保険であれば加入することが可能です。
家族を扶養に入れる概念がないため、加入者全員が個別に保険料を支払う必要がありますが、必要最低限の保障を受けることができます。
一方、社会保険は一定の条件を満たしたアルバイトやパートも対象となります。
『1週間に20時間以上働いている』『月収が8.8万円以上ある』『2か月を超えて継続して勤務する見込みがある』などの条件を満たせば加入できる可能性があります。
また、扶養制度があるため、家族を扶養に入れて保険料を抑えられる点もメリットです。
ただし、加入できるかどうかは勤務先の規模によっても異なるため、自分が条件に当てはまるかの確認は必要になります。
どちらの保険に入るかは、一人ひとりの働き方や収入状況に応じて異なるため、それぞれの保険の特徴をよく理解し、自分に合った選択をすることが大切です。
まとめ|フリーターでも安心!国民健康保険に加入して安定した生活を手に入れよう!
フリーターでも国民健康保険に加入すれば、医療費の負担が軽くなり、安心して生活することができます。
自分で手続きを行い保険料を全額負担する仕組みですが、収入が少ない場合は負担を軽減する制度もあります。
医療費の補助を受けつつ生活の安定を図るには、国民健康保険は心強い制度です。
短期的なアルバイトや掛け持ちの仕事をしている場合は国民健康保険に加入して、安心して毎日を過ごすことができる環境を整えましょう◎